アジャイル

アジャイル (agile) 開発手法は、新規事業の不確実性に対処するうえで有効です。近年では「リーン」というキーワードでスタートアップ(新規事業)のウェブ開発手法としても普及しています。また、新規開発に限らず「不確実性が高い状況下の開発」においてアジャイル開発手法は有効です。

アジャイルはソフトウェア開発の文脈で語られがちです。しかし、それより重要なのはデザインの文脈です。

アジャイル開発手法には「漸進的改善主義」と呼ぶべき思想が埋め込まれています。開発対象を一旦御破算にして作り直す「スクラップ・アンド・ビルド」や「精算主義」の対極です。ですから、伝統の継承と再生を目指すプロジェクトにおいてもアジャイル開発手法は真価を発揮します。

リニューアル(再開発)プロジェクトにおいては、過去の経験から得られた知識の多くが破棄され、ふたたび「新たな挑戦」を繰り返すことになります。不確実性の大きな挑戦にならざるをえません。一方、アジャイル開発手法で漸進的に改善するなら、経験と知識は継承され、不確実性は小さくなります。適切に遂行すれば、不確実性を制御することができ、失敗しにくいのです。

ソーシャルメディアの開発においてもアジャイル開発手法は有効です。文脈や歴史を継承しつつ再生していくことで、人々の関係性も保持します。ソーシャルメディアのアーキテクチャを「スクラップ・アンド・ビルド」式に破壊してしまうことは、伝統的集落を破壊して近代的都市として再建設することに似ています。その際に人間関係も予測不可能に変わってしまいます。破壊的な変更を避け、不確実性を制御するアジャイル開発手法は、ソーシャルメディア開発においても欠かせません。

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