ウェブ上で人々の交際・社交活動が増えていく現象を、ウェブのソーシャル化と呼ぶことにします。ウェブのソーシャル化は大きなトレンドとしてしばらく進行し続けるでしょう。 FacebookやLinked Inのような(「実名主義」とも呼ばれる)一部のソーシャルメディアは、現実社会の映し鏡のようになっていくでしょう。そうなると現実社会とは異なる人間関係を求めてウェブを利用する人々にとっては息苦しくなっていきます。ウェブには匿名 (anonymous) や偽名 (pseudonym) の空間も必要です。人は多様な社会集団に属し、様々な「顔」を持ちますので、すべてをひとつの(「実名」の)アイデンティティ (identity) に紐付けてしまうことは望ましくありません。いずれ人々は複数のアイデンティティ(アカウントやIDと呼ばれるもの)を賢く使い分けるようになるでしょう。 ほかの概念との関係ソーシャルメディア上での行動(生活)はアーキテクチャに規定されます。ユーザーはアーキテクチャの枠を超えた活動ができません。ウェブ開発者には息苦しくない社会、生きやすい社会のためのアーキテクチャを実装する責任があります。そのために人文科学、とくに社会学などの知識が求められるようになるでしょう。 ソーシャルメディア上の人間関係を壊さずに開発するためにはインクリメンタル(微増的)なアジャイル開発手法が有効です。リニューアルという不連続な変更ではなく、インクリメンタルな改修を積み重ねて、結果として大きく変えていく。過程が違えば結果も違います。最終的なビジョンが描けているとしても、時間をかけて丁寧に少しずつ改修していくような手法が必要です。デザインを変えるのにはわずかな時間で足りますが、ユーザーの人間関係が変わるのには長い時間を要します。 関連記事
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